増える婦人科系の病気、どんな種類?どんな症状?通院目安は?

日常生活に影響するほどの生理痛は異常かもしれない

女性は生理痛とは長年付き合っており、毎月来るので、生理痛や生理に伴う不調が「当たり前」になっていてなんとなくつきあってしまっていることがあります。そして、生理痛や 生理に伴う不調が重くなってきていても、徐々に変化していると変化に気づかなかったりします。生理痛があるのは当たり前、鎮痛剤飲むのも当たり前と私もいつの間にかそう思っていたのですが、日常生活に影響する場合は月経困難症という病気の可能性があります。したがって起き上がれなくなって家事ができない、集中力が落ちて仕事ができない、また 鎮痛剤を飲まないと動けない、というのは異常かもしれません。

生理痛には2種類

生理痛には2種類あります。生理では経血となる子宮内膜を押し出そうとする子宮の収縮による機能的な痛みと、背後に何らかの病気が隠れているために起きている器質的な痛みの2種類です。(図表①)

したがって、生理痛を「当たり前」としてそのままにしておくと背後に隠れている病気が、気づかないうちに進行しているということがあり得るのです。
ここでは 簡単に背後に隠れている代表的な病気をご紹介します。 (参考:日本内部分泌学会ホームページ)

▶子宮内膜症

生理の回数の増加により増えている病気の1つです。子宮の外に押し出されるはずの子宮内膜が逆流してしまい、お腹の中や卵巣にくっついてそこで増えたり炎症を起こしてしまう病気です。月経を繰り返すことで進行をしていきます。私も子宮内膜症を経験しています。私の場合は左卵巣が、通常は親指大やうずら卵大と言われる大きさから直径8cm まで腫れてしまっていました。思えばだんだんと生理の時の頭痛がひどくなってきて、毎月の生理の時には市販の鎮痛剤を飲んでいました。それで海外出張もこなしていたのですが、ある日疲れも重なり、会社に行けないほどの生理時の不調を経験し、ようやく 婦人科を受診しました。受診までに時間がかかっているのは私だけではなく、平均的に最初の症状から受診まで7. 5年かかっているというデータもあります(子宮内膜症協会 アンケート 2001)。私の場合は手術を選択しましたが、ピルを服用して進行を防ぐ方法、経過観察の場合もあります。

▶子宮腺筋症

子宮は子宮の壁に筋肉の層を持っているのですが、その筋肉の中に子宮内膜などの細胞がはいりこんでしまう病気です。不正出血や月経痛を強くすることがあります。 やはり薬、手術の治療方法があります。

▶子宮筋腫

いろいろな統計がありますが、性成熟期の女性の2~4割がもっているといわれる高頻度の病気です。できる場所やサイズによって不正出血や痛みを引き起こします。 また、場所によっては 隣の臓器である膀胱を圧迫して頻尿に影響するなんてこともあります。これらの症状によって、手術でとる場合もあれば、薬や経過観察のこともあります。

繰り返す生理で増える生理関連の病気

これらの病気は、以前紹介した現代女性の月経回数が増えていることでどんどん増加をしています。増加しているグラフが書ける統計はないのですが、子宮内膜症の患者数は日本で260万人以上、生理がある女性の10%と言われていますし(子宮内膜症啓発会議 子宮内膜症 Fact Note)、子宮筋腫は性成熟期の女性の2~4割がもっているといわれています。想像以上に多くの女性が生理に関連した病気をもち悩んでいます。生理回数が増えることで新たに体への負担がかかっているので現代女性は、なすがままでなく何らか対応をしていく必要がありますよね。

これらの病気が隠れているかもしれないので、生理痛が日常生活や仕事に影響するくらいでしたら、一度 婦人科の受診をしてくださいね。

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