現代女性のチャレンジー女性の健康寿命と生涯月経回数ー

世界一長寿命ということ

日本の女性の平均寿命は国別にみると世界一ですね。
2020年の日本人女性の平均寿命は87.74歳です。
女性ホルモンがなくなる閉経の平均年齢が50歳といわれるので、お守りである女性ホルモンがない状態で30~40年を生きるということです。

実はこれは現代女性の新しいチャレンジなのです。というのも、女性の平均寿命をみていくと(図①参照)、閉経の平均年齢である50歳を超えたのはいわゆる戦後(図①でいうと1947年以降)になってからです。そしてだんだん平均寿命はあがりはじめ、80歳をこえたのが1985年です(厚生労働省生命表)。
女性ホルモンがない身体とつきあわなければいけないようになってまだ年数が浅いのです。

健康寿命と平均寿命のギャップ

女性のヘルスリテラシーの研究をしています、というと、日本人女性は世界一長寿なんだからもう十分なんじゃない?と言われることも実はあります。
たしかに平均寿命だけ見ればそうなのですが、「健康寿命」という言葉はご存知でしょうか?世界保健機構(WHO)が提唱した考え方で、平均寿命から寝たきりや認知症などの介護状態になる年齢を差し引いた期間とされています。つまり、自立して生きられる年数のことです。日本人女性の健康寿命(2019年)は75.5歳といわれています。(2021年版の世界保健統計(World Health Statistics))。
つまり12年ほど、自立して生活ができない期間があるということです。このギャップの期間が実は男性より長く、これを縮めるためにヘルスリテラシーを高めていくことが大切なのです。みなさんも最期まで自立して自分のやりたいことをやって生きたいと思いませんか。普通に過ごしていては難しいのだということが統計データからわかりますよね。

月経の回数の増加

もう1つ現代女性の大きなチャレンジはあります。それは月経の回数が増加しているということです。(図②)

昔の女性が一生の間に経験する月経回数は50回や100回、例にあげる時期によって異なりますが、そのくらいの回数でした。
一方で現代女性は500回にものぼる月経を一生の間に経験すると言われています。その理由は大きく3つです。

①栄養状態がよくなって、発育が進み、初経の年齢が少し早くなった
②一生の間に経験する妊娠する・出産の回数が減った
③閉経を超えて生きるようになった

月経が増えることなんてたいしたことないのでは?と思うかもしれないのですが、毎月の月経は女性の体調やパフォーマンスに大きな影響を及ぼしていますし、月経を繰り返すことで新たに増えている病気も実はあります。これに関してはまた詳しくご説明したいと思います。

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