ホルモンの影響?PMSって? 意外と知らない生理の仕組み

女性も意外と習わない生理のこと

生理がなぜ起きるのか、何が起きているのかをここで簡単にご説明したいと思います。こんなに毎月おつきあいしていても何のために起きているのか教わる機会がなく、よく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
女性でもそんな状況ですから、男性はもっとですよね。
生理で排出される経血は、子宮の内側に増えた子宮内膜が元になっています。この子宮内膜は、子宮の中に受精卵がいた場合に着床をして育ついわばベッドです。受精卵がいるかわからないけれど、受精卵がいたときのために用意されています。でも受精卵がいなかったので不要になり、子宮の外に押し出され、これが経血となってでてきます。

なので、生理と排卵周期は連動をしています。生理の一周期の中で何が起きるのかをみてみましょう。よく女性は月の4分の1しか調子がいいときがないなんていわれますが、その調子がいいのは排卵の前の時期です(図①)。

図①排卵(月経)周期の中での女性の体調変化  参考:日本産科婦人科学会ホームページ

排卵前には、いい精子をゲットすべく、お肌や髪の毛をつやつやにして魅力的に、そして メンタルも安定しています。排卵が終わると、もしかしたら受精卵がいるかもしれないということで、たくさん食べて栄養を貯えたくなったり、メンタルが不安定になります。この時期に出る症状が月経前症候群 (PMS) と呼ばれるものです。そしてその後生理がきて、人によっては子宮から子宮内膜が押し出されるために起きる痛み=生理痛が起きるということです。
男性の皆さんにも月経周期による女性の体調とメンタルの変化は是非知っていただきたいものです。

月経困難症とPMS

生理による不調の代表的なものの中に、月経困難症(PMS)があります。(図②)

図②月経痛とPMS  参考:日本産科婦人科学会ホームページ

月経困難症は、いわゆる生理痛で、その中でも日常生活に影響をきたすほどのものをいいます。日常生活に影響を及ぼしていれば「病気」ということで、日本の医療保険の中で治療をすることができます。月経困難症の中には2種類あり、病気が隠れている可能性があることは以前のコラムでお伝えした通りです。(参照:増える婦人科系の病気、どんな種類?どんな症状?通院目安は?)
そして月経前症候群、PMS は、排卵と生理の間に起こる不調で生理がきたら症状がなくなるものをいいます。生理前の1週間ほどに、心、身体、そして行動などいろいろな症状が出ます。 男性の中には生理のときがつらいのかと思っている方もいますが、実はそうでもなく、PMS の方がつらい方もいらっしゃいます。

多くの女性が何らかの症状を持っています

生理痛や PMS に関してはいろいろな調査があり、その割合は調査によっても異なるのですが、多くの女性が何らかの症状を持っています(図③)。そして人によっては複数の症状をもっていることもあります。これが生理の仕事のパフォーマンスへの影響につながることになります。

図③月経による不調の頻度  出典:男女共同参画白書 平成30年版

生理の一周期の中で女性は本当に様々な症状を抱えていることがわかりますね。
繰り返しになりますが日常生活に影響を及ぼすほどの心や身体の症状であれば、病気が隠れている可能性もゼロではありません。一度婦人科を受診することもおすすめします。
過去のコラムで婦人科を選ぶポイントや各都道府県の婦人科・更年期外来をまとめています。ぜひこちらもご参照ください!
▶ 婦人科を選ぶポイントって?

こうした女性のヘルスリテラシーについての内容を本に書いています。もしよろしければお手元にとってくださいませ。

 

文章:北 奈央子

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