生理の仕事のパフォーマンスへの影響とは
生理は小学生の頃からずっとおつきあいしているもので、月に1回その日がきて、調子の悪さを感じることが、女性にとっては当たり前となってしまっています。
女性活躍が後押しされる中、月経による不調がどれくらい仕事のパフォーマンスに影響するのかを医療政策機構が調査結果を公表しています。
(日本医療政策機構 働く女性の健康増進調査 2018)
2,000名の18歳から49歳までの女性へのアンケート調査で、通常の元気な時の仕事のパフォーマンスを10点としたときに、生理痛やPMSによってどのくらいまで仕事のパフォーマンスが落ちるのかを質問しています(図①)。
その結果を見てみると、0点から10点まで本当に色々な回答があるということがまず特徴の一つです。生理のつらさは人によるというのがよくわかります。
そして、全体を見てみると、半分以下の5点以下と回答した方が45%、半分弱もいます。これが毎月起こると考えると相当な影響があることが想像できますよね。
生理によるパフォーマンス低下を社会課題として捉える
生理のことなど、女性の身体に関することは個人のこと、しかも言いにくいこととされてきました。
かつては「生理がつらくて」と受診しても「我慢が足りない」「気のせい」 と言われたり、「私は大丈夫なんだからみんな大丈夫なの」 といわれて、本当につらいのに理解してもらえないと悩む女性がたくさんいました。少しずつ良くなっているものの、今でも起きていることだと思います。
女性活躍を後押しするにあたり、女性の健康による影響をどうにかしようと社会として捉えるようになってきました。健康経営の項目の中に2018年から女性の健康への取り組みが入ったり、生理による社会経済的負担が試算され 可視化されるようになってきました。
月経随伴症状による社会経済的負担を計算している論文があります。日本国内だけでなんと 年間約7,000億円にものぼるとされています(図②)。
この中には 受診の費用、そして鎮痛剤などを購入する費用も含まれていますが、中でも一番大きいのは労働損失で、仕事を休んだり、先述のパフォーマンスの低下によるものなのです。
頑張る女性が多くてなんとか出勤してくれていることが多いと思います。周囲からも気づかれにくいかもしれませんが、仕事に大きなインパクトを持つのが生理なのです。
「みんなつらいんだから、私も頑張らなきゃ、我慢しなきゃ」と思わずに身近な人に相談して頼ってください。
また、企業としても女性特有の不調を理解し、通院や治療を支援する休暇制度を設けたり、相談窓口を決めて周知したり、女性の健康に配慮した環境整備をすることが女性のキャリア継続を促し長期的な人材活用に繋がるためぜひ検討いただきたいところです。
つらいのが当たり前、我慢して当たり前、ではなく一人ひとりが声を上げやすく、かつサポートしあえる社会になるよう、情報発信をしていきたいと思います。
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