「フェムテック」がノミネート、「ジェンダー平等」がトップテン
2021年の新語・流行語大賞では、「フェムテック」がノミネートされ、「ジェンダー平等」がトップテン入りとなりました。ジェンダー格差の是正、女性の後押しをする言葉が2つ同時にノミネートされたのは過去の受賞歴をみてもめずらしい。
過去には、2018年にハリウッドからセクハラ疑惑が報道され、性被害を告発する女性が続々と現れて世界に広がった#MeToo、その翌年2019年に、日本の職場で女性のみにハイヒールやパンプスを強いる企業の服装規定に石を投げかけた#KuTooがトップテンにはいっています。2014年は2021年と同じように女性の活躍やジェンダーの年だったようです。マタハラがトップテン入りをし、家事ハラ、輝く女性という言葉がノミネートされています。この年はワンオペもノミネートされており、女性に負担がかかっていることや、嫌な思いをしていることが表にでてきた年でした。
女性活躍への違和感を訴えるところから、前に踏み出た2021年
同じく女性を後押しする言葉が多くノミネートされた2014年と比較してみると、2014年は現状を表す言葉が採用されているのに対し、2021年は前向きな言葉が選択されています。ジェンダー平等は、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会前会長の「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」という発言が象徴的な出来事としてとらえられていますが、そこに対して「ジェンダー平等」がノミネートされ、トップテン入りしました。
また、フェムテックは、Female Technologyの造語で女性の健康、ウェルビーイングを支える技術、商品、サービスを指す言葉で、こちらも現状から一歩踏み出す言葉です。2021年に経済産業省のフェムテック補助金もスタートしました。声を上げられなかった女性たちが声を上げられるようになり、そこから環境を変えることに一歩ずつ動き、そこに社会の注目が集まってきている、そんなプラスの流れを感じました。
フェムテックという言葉がいらなくなる将来を目指して
フェムテックはそろそろピークを迎えているという言葉も聞こえてきますが、これは2つの考え方があると私は思います。ひとつは、言葉がすたれてしまうということ、もう一つは、その言葉が社会に浸透していらなくなること、です。フェムテック業界にいると、いろいろな動きが見えてきます。大手企業の中でフェムテック商品やサービスの開発を進めようとがんばる女性社員の方に多く出会います。以前であれば企画がでてこなかった、または早々に却下されていたのではないかと思うのですが、それを後押ししてくれる男性社員の姿が見え、芽が出て社内で育てているのが見えます。女性起業家は少ないといわれてきましたが、今年参加した東京都の女性起業家プログラム「apt women」では、40名の元気な女性起業家に出会えました。各々、女性の視点で商品、サービスを開発し、ビジネスの芽を育てています。そして女性の起業が難しいといわれる一つの理由として、投資家や銀行に女性が少ないことがいわれてきましたが、女性投資家で活躍される方も出てきています。
まだまだ芽がでたところだと思いますが、きっと数年後にはこの芽が育ち、今度はフェムテック商品・サービスの中から新語・流行語大賞が生まれるのではないかと思います!ジョコネ。もヘルスリテラシーのノミネートを目指して邁進していきます。2022年もどうぞよろしくお願いいたします。
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