いつからいつまで?どんな症状?キャリアの不安も重なりやすい更年期

更年期の難しさ

更年期という言葉は、どうもネガティブに使われがちです。女性管理職が部下に怒ると「更年期だから?」とひそひそ言われたりします。
しかしながら、更年期とは、性ホルモンが減少する時期のことで、全ての女性に、そして男性にも訪れる時期です。悪いことでもなんでもなく、当たり前のことなのです。

女性の更年期の定義は、閉経の前後5年間、計10年間とされています。そして閉経は最終月経のことで、生理が来てから12ヶ月間生理がこなかった時に、さかのぼって最後の生理が最終月経=閉経になります。そのためいつ自分が更年期に突入したかわかるのは更年期が始まってから6年後ということになるわけです。

さらに、閉経の年齢は約50歳と言われていますが、実は早い方では40歳前、遅い方では60歳前までとかなり幅があります。
これが1つ目の更年期の難しさです。自分が更年期なのか本人もわからないので、なんとなく調子が悪いのが女性ホルモンの低下によるものなのかがわかりません。

もう1つ難しくしているのは、症状の多様性です。更年期の症状は、代表的にはホットフラッシュがありますが、めまい、イライラなど実は数百種類あるといわれており、女性自身も自分がどの症状がでるかは知りませんし、いくつ出るかもわかりません。
例えば関節が痛くなる、落ち込みやすくなる、眠れなくなる、という症状がでてきたときに真っ先に婦人科に行こうと思う方はあまりいません。整形外科や精神科など別の診療科を受診して、迷子になる女性が多いといわれています。

更年期の仕事のパフォーマンスへの影響とは

更年期も生理と同じようにどのくらい仕事のパフォーマンスに影響するかを調査した結果があります。(図①)

図①:更年期症状の仕事のパフォーマンスへの影響 参考:日本医療政策機構 働く女性の健康増進調査2018

やはり生理と同じように0点から10点まで様々な影響の方がいらっしゃること、そして半分以下の5点以下と回答する方が46%、半分弱いらっしゃいます。
定義では10年間、つらい時期は人それぞれですが、数ヶ月から数年の単位でつらい時期が襲ってきます。そして更年期は管理職になったり責任のある仕事を任される年齢と重なります。そういった意味で女性自身、そして社会にもインパクトの大きい健康課題だといえます。

2022年11月にジョコネ。で実施したアンケート調査(【アンケート結果】更年期によりキャリアを諦める可能性がある女性は3割)では「更年期症状が辛い場合に、キャリアを諦める可能性があるか」の問いに対して、29.3%の女性が「そう思う」と回答しました。仕事のパフォーマンスが低下することを懸念してキャリアを諦めてしまう方々が少なからずいるのです。
症状が現れた際には服薬で症状を軽減することも可能です。また日頃からご自身の体調の変化に気を留めていただき、診療科に悩んだ際には婦人科も選択肢の1つに加えることもぜひ検討してみて下さい。

こうした女性のヘルスリテラシーについての内容を本に書いています。もしよろしければお手元にとってくださいませ。

 

文章:北 奈央子

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