「人は女に生まれない。女になるのだ」(ボーヴォワール)という言葉があります。生まれながらの生物学的な性別=セックスはありますが、「女らしさ」は生まれてから身に着けていきます。
例えば私の娘も、生まれた当初は着る服の色だって、ふるまいだって、何が「女らしい」かなんて知りません。でもいつの間にか2歳ごろから「女の子だからピンクでひらひらがいい」「男の子は強いんでしょ」というようになりました。母親である私はできるだけ言わないようにしていましたが、他の大人、家族や保育園で接する人からのインプット、そしてお店やメディアでの扱われ方がいつの間にか身についています。子供用品店の洋服売り場は必ずといっていいほど、「女の子用」「男の子用」でわけられています。
女らしさと男らしさ
「女らしさ」ってどんなものがあるでしょう?
以下の表は男らしさ、女らしさを表す言葉として挙げられた言葉です。
どうですか?
あなたやあなたのパートナーはどのくらい当てはまりそうですか。そして当てはまりたいと思いますか?
ひとついえることは、この女らしさにあてはまる女性が現実の女性とは異なるということです。社会がつくっている理想の女性像なだけで、女性たち自身がこうありたいと思っているわけではありません。しかし女らしさのキーワードは「従順な」「忠実な」「だまされやすい」といった人に従う女性像がみえて、なめるな!と思ってしまいます。
「いい女性」じゃなくていい
私は、女性のヘルスリテラシーの研究の一環で女性の健康に関する活動をする団体の方にインタビューをさせていただいたことがあります。その際にでてきた内容として、「社会で理想とされる女性像に自分ははまらなくていいいんだ」と気づくことが大切だとでてきました。
女性は家庭にいないといけない、
家族のために家事を完璧にしないといけない、
子供を産まないといけない、
そして最近は仕事も続けないといけないと、
子供のころからなんとなく自分の頭に入ってきている「女性はこうでなければ」という女性像に苦しんでいます。その女性像にはまろうとして、自分を押し殺してストレスを抱えたり、上手にできなくて自己嫌悪に陥ったりするのです。
あなたはあなたらしくていいのです。料理ができなくても、子供を産まなくても、家事が適当でもいいのです。そしてそれを自分で受け入れること、がとても大切です。
こんな内容を本に書いています。もしよろしければお手元にとってくださいませ。
文章:北 奈央子
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