自分のからだのことを自分で決めよう!〜SRHRとSDGsとは〜

前回のコラムでは、「自分で決めたことに後悔しないための納得のいく決め方」についてお話をしました。

今回のコラムは、SDGsの目標でも触れられている「SRHR(からだの自己決定権)」がテーマです。

生涯を共に過ごす、自分だけの大切なからだ。

そんなかけがえのない存在な自分のからだに関する思いを、我慢することなく過ごすことができたら……。
それだけで、心も穏やかに過ごせるような気がしてきます。

今世界全体で考えられている「SRHR(からだの自己決定権)」とはなにか。
SDGsについても詳しく触れながら、一緒に考えてみましょう。

 

そもそもSDGsとは……?

SDGsという言葉を、近年では頻繁に目や耳にすることが増えてきました。
「言葉自体はなんとなく知っているけれど、具体的には知らないなぁ……。」という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

そもそもSDGsとは、以下の内容で定義、構成されています。

・「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」と訳される。
・人間と地球の平和と繁栄を達成するために、2030年までに地球に住むわたしたちが行うべきことを国連がまとめ、2015年に採択されたもの。
・「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、開発途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサルなものとされ、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組む。(総務省「持続可能な開発目標(SDGs)の進捗の測定に用いる指標について」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/toukeikaikaku/kaikaku_chousa_kanji/dai2/siryou2.pdf 2024/2/8)

そして内容の構成は、
2030年にあるべき姿として、17つのゴール
2030年までに達成するべき、169のターゲット
ターゲットの進捗度を測定する244の指標
からなっています。

今回のコラムでは、17個のゴールのうち5番目に掲げられているゴールである、「ジェンダー平等を実現しよう」に焦点を当てて、お話をしていきます。

 

SRHR(からだの自己決定権)とは

「ジェンダーを平等に実現しよう」というゴールは、6つのターゲットからなっています。

作成:(株)ジョコネ。【参考資料】公益財団法人日本ユニセフ協会「持続可能な世界への第一歩 SDGs CLUB」https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/5-gender/ (2024/02/08)

以上6つのターゲットでは、特にSRHRについて述べられています。

SRHRは(Sexual and Reproductive Health and Rights)の略で、性と生殖の健康の権利と日本語に訳されます。
女性も男性も、すべての人がもっているものです。
冒頭からたびたび登場していた「からだの自己決定権」とも言われることもあります。

具体的にみていくと、SRHRは以下の内容が述べられています。

セクシュアル・ヘルス
自分の自分の性に関することについて、心身ともに満たされて幸せを感じられ、またその状態を社会的にも認められていること。
リプロダクティブ・ヘルス
妊娠したい人、妊娠したくない人、産む・産まないに興味も関心もない人、アセクシャルな人(無性愛、非性愛の人)問わず、心身ともに満たされ健康にいられること。
セクシュアル・ライツ
セクシュアリティ「性」を、自分で決められる権利のこと。
自分の愛する人、自分のプライバシー、自分の性的な快楽、自分の性のあり方(男か女かそのどちらでもないか)を自分で決められる権利です。
リプロダクティブ・ライツ
産むか産まないか、いつ・何人子どもを持つか自分で決める権利。
妊娠、出産、中絶について十分な情報を得られ、「生殖」に関するすべてのことを自分で決められる権利です。
参考資料:ジョイセフ「知ってる?わたしのSRHR」(2024/2/8)

そもそもSRHR自体を知らないという方も、日本にはまだまだ多くいらっしゃいます。

認知度を上げるための取り組みはもちろん大切ですが、まずは一人ひとりが身近なところから行動をしていくことが重要です。

例えば、避妊をするかしないか、そもそもセックスをするかしないか。
周囲からのセクハラのような発言に対し、不快感を現すこと、など。
もっと自由に、我慢することなく、自分の意思を発していいのです。

日本では古くからの文化や慣習、固定概念によって、性に関する主張がしにくい雰囲気があります。
特に女性は我慢を強いられる場面がかなり多くあり、現在でもそのような状況があることも、事実です。

そんな中で声をあげてみたり、不快な気持ちを感じたときに相手に意思を伝えるのは、とても勇気のいることですよね。

しかし、世界中で性と生殖の健康と権利について取り組みがされている今、同じ思いを持つ人が世界中にいるのだと思うと、なんだか心強く感じます。

「こんなこと言っていいのかな」とか「こんなふうに思うことっていけないのかな」とか、思う必要もまったくありません。

あなたはあなたのままで、いいのです。

 

身近なところから、あなたらしさと共に。

SDGsの目標を達成するためにではなく、自分自身の心とからだがより納得感を持って生き、ウェルビーイングであるように。

少しずつ、できることから始めてみませんか?

誰かひとりの笑顔が、周囲にも幸せな気持ちをもたらし、幸せの連鎖が生まれていきます。

わたしも、あなたと一緒に走り続けます。

こうして、SDGsのゴールまでみんなで歩んでいけたら……。
どんな未来が待っているのか、ワクワクすることばかりです。

 


 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

次回のコラムでは、「出産と更年期」について触れていきますよ。
お楽しみに!

 

こちらの内容は下記の本の中により詳しく書かれています。
ぜひお手にとってみてくださいね♪
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(文:下田 春佳)

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